座禅のススメ。やり方と効果。時間と組み方は?

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あなたは座禅をしたことはありますか?

座禅は禅宗で行われている修行の一つです。禅寺などの座禅会などで体験できますが、座禅は自宅でも簡単に行うことができるものです。

みなさんも、座禅をはじめてみませんか?

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座禅の基本は調身・調息・調息

禅宗には、曹洞宗、臨済宗、黄壁宗の三つの宗派があり、それぞれの宗派で座禅のやり方は違いますが、基本的な姿勢や呼吸の仕方は同じです。

座禅の基本は調身、調息、調心の三つです。
• 調身:姿勢を整えること
• 調息:呼吸を整えること
• 調心:心のあり方を整えること

身体(身)と呼吸(息)と意識(心)を整えることで、安らかな気持ちになることが座禅の基本です。

「いわゆる坐禅とは習禅にはあらず。唯これ安楽の法門なり。菩提を究尽するの修証なり。」

(曹洞宗 東海管区教化センターウェブサイト http://soto-tokai.net/cgi-bin/kotoba.cgi?page=25&bl=1 より引用)

これは道元が、座禅を広めようとしたときに説いた言葉の一つです。

禅とは、「安楽の法門」であり「習禅」ではないと、道元は説いています。「習禅」とは精神を集中したりして自分の意識を高め、悟りに到達しようと努力することです。座禅はそのような「習禅」ではなく「安楽の法門」である、つまり、座禅をする目的は、心安らかに身体も楽にすることだと道元は説いたのです。

正しい楽な姿勢ですわり、呼吸を整え、心の持ち方を整えることで、体と心が安らかになるための基本が、調身、調息、調心です。
座禅は、安らかな気持ちになることが目的です

そして、そのために、いくつか注意点があります。

座禅をする前にしっかり寝て腹八分の状態にしておきましょう

座禅の前にはしっかりと睡眠と食事をとりましょう。とはいっても、食べすぎはよくありません。腹八分が良いでしょう。

座禅は食後三十分から一時間後に始めると良いようです。

座禅にふさわしい環境と身なりをしましょう

静かな部屋を用意しましょう

座禅をするためには静かな部屋が適しています。しばらくの間、電話がかかってこないような静かなと場所と時間を用意しましょう。

お香や時計(時間をはかるためのもの)を用意しましょう

お香や時計など、時間をはかるものを用意しましょう。お香は香りにも癒しの効果がありますが、時間を計るためにも使えます。お香一本が燃え尽きるまでの間(約45分間)、座禅をすることに決めてもよいでしょう(正式には「一炷香」と言います)。

ゆったりとした服装をしましょう

衣服は身体を締め付けない、ゆったりとした楽なものが良いでしょう。もしあれば、作務衣を着用すればなお良いでしょう。なければ、手持ちのトレーニングウエアでもかまいません。腕時計やアクセサリーははずしましょう。

座布団を用意しましょう

座禅用の座布団などのことを「座具」と呼びます。座具は販売されているものを使っても良いですが、自宅にある普通の座布団を使っても良いでしょう。自宅の座布団を使う場合は、座布団を二枚用意し、一枚は普通に床に敷いた状態で、その上に二つ折りにした座布団を乗せます。二つ折りにしたほうに、おしりを乗せるように座ります。自分のちょうど良い高さを見つけて調整してください。

座禅を組むのにふさわしい身体や場所はととのったでしょうか?

座準備が整ったら座禅をはじめましょう。

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禅の作法

1 合掌一礼

まずは、正面を向いて合掌一礼を行います。座る場所(座布団や座具)に向かって合掌一礼をします。

2 座る

足を組んで据わります。

足の組み方は、右足を左ふとももの上に乗せ左足を右ふとももの上にのせる「結跏趺坐」が正しい組み方ですが、難しければ左足を右足の上にのせるだけの「半跏趺坐」でもかまいません。半跏趺坐も無理であれば正座でも良いです。足を開いた状態で正座する「日本座」でも良いでしょう。

座布団や座具を使い、良い姿勢が保ちやすい座り方ができるよう高さを工夫しましょう。

また、忙しくて座布団に座る時間が取れない場合は、椅子にすわる「椅子座禅」という方法もあります。椅子に座る場合は、浅くこしかけ、余計な力が入らないようリラックスしながら、足を開き気味にして姿勢を正しましょう。

3 手を組む

右手を上向きにして、そこに左手を重ね、親指がかすかに触れ合うように、親指で楕円形の形(円相)を作ります。

組んだ手の親指が、へそのあたりに来るようにします。この手の組み方は「法界定印」と呼ばれ、悟りの境地を象徴しています。大日如来像は、この手の組み方をしています。

4 姿勢を整える

深呼吸してリラックスしてから上半身をゆらゆらと左右に振り、だんだんとそのゆれを小さくしながら体が真ん中にくるようにして姿勢を整えます。

今度は上半身を前後に揺さぶりながら、自分の中心が定まるようなちょうど良い位置を探します。

これを「揺振」と呼びます。
下腹をつきだして腰をたてるようにしてから背筋を伸ばし、アゴを引き、肩の力を抜きます。

5半眼

アゴを引いてまっすぐ正面を向いてから、視線を落とし伏し目にします。
45度下の方の、1メートルくらい先に視線をやります。

6 口を閉じる

口は一文字に閉じます。

ここまでで、体を整える「調身」が終わりました。

7 息を整える

次は息を整えます。

深呼吸をします。鼻から息を大きく吸い込み、口から徐々に長く細く息を吐き出します。この呼吸はお腹に息を吸い込み、お腹から吐き出す腹式呼吸で行います。

息を吐くときは、体の中の余計なものを吐き出すよう意識しましょう。息を吐いたらまた鼻から吸います。一回でもかまいませんが、数回この呼吸法をおこなってもよいでしょう。

呼吸をととのえることで「調息」を行います。

8 息を吸いながら数を数える

呼吸をしながら、その回数を数えます。心の中で1から数え、10まで数え終わったらまた1から繰り返します。これを「数息観」といいます。

呼吸を数えることで、雑念が取り払われ意識がシンプルになっていきます。こうすることで、より深い瞑想状態に入っていけるのです。

また、吸う息と吐く息に集中する「随息観」という方法もあります。随息観の場合、数は数えず呼吸そのものに意識を集中します。

自分の息に意識を集中することで、意識が単純化され瞑想状態に入っていきます。数息観に慣れたら、随息観の方法をとってもよいでしょう。
これが、心をととのえる「調心」です。

9 瞑想状態で座る

調身、調息、調息の状態が整ったら、その状態をしばらくキープしましょう。本格的な座禅は、お香一本が燃え尽きる間の45分程度行いますが、なれないうちは10分程度でもよいでしょう。

しばらく、体を楽にし、息を整え、瞑想状態で時を過ごしましょう。

10 座禅を終える

座禅の終わり方にも作法があります。座禅が終わっても急に立ち上がってはいけません。
手をとき手を合わせ一礼
法界定印をときましょう。合掌し、頭を下げます。
体をゆらす
両手のひらを上に向けてひざのうえにおき、体を左右に揺らします。最初は大きく揺らし、徐々に小さくしていきます。
足を解いてたちあがる
組んでいた足をとき、ゆっくり立ち上がりましょう。

座禅により心も身体もリラックス

いかがでしたか?このようにして、座禅をくむことで、心も身体もリラックスできます。座禅中には脳波がアルファ波になることも知られています。古くから行われている座禅の作法には、心も身体も安らかになる方法がつまっています。

忙しい毎日の中に、座禅の時間を取り入れてみれば、毎日をさらにポジティブに元気に生きられることでしょう。

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