マインドフルネスの本当の効果とやり方は?

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意識を「いまここ」に戻す、マインドフルネス瞑想でストレスに強くなろう。

みなさんはマインドフルネスという言葉を聞いたことはありますか?

マインドフルネスは、グーグルやツイッターやナイキなどの大企業が従業員の能力向上のために社員教育の一つとして取り入れていることから、現在、注目を集めています。

マインドフルネスとは、「いまここ」に意識がある状態のことを指します。マインドフルネスの状態になることにより、私たちはストレスに強くなり、創造性もアップすると言われています。

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マインドフルネスとは

マインドフルネスの考え方は、元をたどればブッダの「悟り」に行き着きます。座禅や瞑想をすることで精神をリラックスさせ、ストレスに強くなるという効果がありますが、しかし、グーグルのマインドフルネスプロジェクトの重要人物であるビル・ドウェイン氏は、『グーグルのマインドフルネス革命』という本の中で、「マインドフルネスは仏教を超えている」とも述べています。

このように説明されても、なかなか分かりにくいマインドフルネスだと思いますが、具体的には一体どのようなものなのでしょうか?もう少しわかりやすく説明してみましょう。

マインドフルネスは「いまここ」に意識がある状態

私たちは普段生活をしている時、どのような意識状態にあるでしょうか?
例えば、あなたは何かの作業をしている時に、通常、頭の中では何を考えていますか?

「今日の夕飯何にしよう」だとか
「テレビの録画しなくちゃ」だとか
「あの時あの人に言われたあの言葉で腹が立ってしょうがない」だとか
いまやっている作業と全く関係のないことを考えていることが、多いのではないでしょうか?

わたしたちが生きているのは「いま」という時間ですから、本来ならばいまここで体験している目の前のこと以外、考えなくても問題ないはずです。それなのに、作業内容とは全く関係のない過去の記憶や未来の心配など、とりとめのない思考が頭の中にあることがほとんどだと思います。

「うまくできないんじゃないか」とか「前も失敗して嫌な思いをした」などという、様々な感情で心の中がいっぱいなこともあるでしょう。これは、意識が今ではなく未来にあります。また、過去に体験したいやな事を考えるだけでストレスを感じて疲れてしまうことも多いと思います。これは意識が過去にある状態です。

目の前のこととは関係のないことで頭がいっぱいの状態は、心ここにあらずの状態ですね。

そんな、心ここにあらずの状態では、私たちは「いまここ」にいながら、別の時空を生きていることになり、せっかくの「いま」を体験できていません。そうすると、作業の効率も下がり、余計なストレスも受けることになります。

残念なことに私たちは、ほとんどの時間をこのようにして、いまここで起きている出来事とは全く別のことを考えて過ごしてしまっているのです。そして、そのことに、あまり意識的ではありません。

たとえば今、どんなに美味しいご飯を食べていたとしても、過去の嫌な記憶を思い出し、その時の感情にとらわれていたら、せっかくのご馳走も砂を噛むようで、何の味もしないでしょう。体験とは、心の中にあるのですから、意識がどこか別のところにあっては、体験しているようで体験できていないのです。せっかくのご馳走が台無しです。いまここに意識がない状態というのは、それにも似ているのではないかと思います。人生がそんな風に過ぎてしまったら、なんだかもったいないですよね。

マインドフルネスによって感情を客観的に見られるようになる
マインドフルネスは、瞑想や意識の持ちかたを変えることによって、過去や未来にそれてしまった意識を「いまここ」に戻すための方法です。具体的には、自分の体験や感情を外側から眺め、最終的には自分を客観的に観ることができるようになることを目標とします。自分を客観的に外側から観ている、その状態が、マインドフルネスの状態です。

自分を客観的に観るというのは、例えば、こういうことです。

たとえば、あなたは3万円の入ったお財布を落としてしましょう。そのお財布は、東京湾に沈んでしまったので、もう絶対に戻ってきません。これは相当凹みますね・・・。

あなたは財布を落としたマヌケな自分を責めて自己嫌悪に陥るかもしれませんし、不幸な運命を呪う気持ちになるかもしれません。ショックのあまり一晩寝込むかもしれません。3万円を落とせば誰だって落ち込むでしょう。人間なら当たり前のことです。人間らしく、悲しい気持ちのまま、思い切り落ち込みましょう。

そして、そんな自分を、外側から眺めてみます。

「財布を落としたマヌケな自分。とても落ち込んでいる自分。マヌケな自分を責めて自己嫌悪に陥っている可哀想な自分」が、いまここにいます。
このことを、そのまま認識できれば良いのです。

通常であれば、悲しい出来事の後にはすっかり落ち込んでしまい、その感情の中に入ってしまいます。自分の感情に自分自身が飲まれてしまい、あまり憂鬱がひどくなれば、その後の仕事にも支障をきたすかもしれません。これは、自分を見失った状態です。自分は、いまここにいません。

しかし訓練し、外側から自分の感情を観ることができれば、悲しい感情をしっかりと感じたまま、しかし、その感情には呑まれず、事実と自分の感情をありのまま受け入れることができます。

「私は財布を落とした。」
「私はマヌケな人間だ。」
「私は落ち込んでいる。」
「私は寝込んでしまいたい気分だ。」

そんな風に、自分に起きた出来事や感情を外側から観ることで、感情を手放し、自分の感情から自由になれます。自分を他人事のように客観的に眺めることで、惨めな自分がかえって滑稽に思えて笑いたくなるかもしれません。

このように自分を客観視し少しの間だけ、意識の外側に出ることができれば、感情に振り回されることも無くなり、心がすっきりしてきます。

この意識状態は、ふと我にかえった時や、何かに気づいた時の意識状態でもあります。その時、あなたは、いまここに意識が戻っています。

毎日瞑想してみよう

少しずつでも意識を変えるために、毎日十分程度でも良いので、瞑想をしたり意識の持ち方を変えるための時間を取ると良いそうです。自分の意識を訓練することで「いまここ」に意識をおいたまま仕事や日常生活を送ることができるように徐々に変化していけるようです。そのための様々な方法をマインドフルネスは提唱してくれています。

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マインドフルネスの効果

瞑想などを通じてマインドフルネスな意識になるための訓練をすることにより、ストレスに強くなり、思いやりの気持ちが持てるようになると言われています。また、創造性も高まりアイデアも浮かぶようになるようです。自分の感情をコントロールできるようになるので、感情に振り回されることも減るでしょう。

瞑想を続けただけで、脳の機能が変わったという報告もあるようです。アメリカのサラ・レイザー博士の実験によると、瞑想した人たちはそうでない人に比べて明らかに脳の一部に変化が見られたそうです。特に、学習・記憶・感情を司る左の海馬の部分が大きくなったということです。(『グーグルのマインドフルネス革命』より)瞑想をすることで、私たちの脳の機能も少しずつ変化するようです。

マインドフルネスは、私たちの感情コントロールや能力向上に効果があると、期待されています。

マインドフルネス瞑想

マインドフルネスの瞑想は、基本的には「自分の行動や感情そのものに意識を向ける」という方法をとります。

冒頭でもご紹介しましたが、『グーグルのマインドフルネス革命』という本に、瞑想の方法が載っています。付属のCD-Rも付いており、ガイダンスに従えば簡単にマインドフルネス瞑想ができるようになっています。筆者もやってみましたが、とてもわかりやすいものでした。本格的に取り組みたい方は、書籍を手に入れてみてはいかがでしょうか?

瞑想の形をとらなくても、日常生活を送りながら、ありとあらゆる場面で、マインドフルネスの訓練はできます。

ご飯を食べながら、ご飯を食べている自分の動作に意識を向けてみましょう。歩いている時は歩いている時の動きや感覚に意識を向けてみましょう。

何かをしている自分を外側から見る視点を身につける訓練をしていくことで、少しずつマインドフルネスの状態に近づいていけるようです。

興味を持たれた方は、この機会にマインドフルネス瞑想を始めてみてはいかがでしょうか。

参考文献:グーグルのマインドフルネス革命 サンガ編集

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